Mom testによる効果的なインサイトを得るユーザーインタビュー

最近ユーザーインタビューを沢山しています。いかに自分のバイアスを持ち込まずに課題を見つけるかに腐心しているのですが、その中でとても役に立っているMom testという手法について紹介します。

Mom testとは

Mom testとは我が子の為なら(やさしい)嘘もつくお母さんからさえ真実を聞きだす手法です。この手法をユーザーインタビューに活用することで、まだこの世にないプロダクト/仮説/アイデアについて、それをやる価値があるか/どう取り組むべきかを判断することができます。

この手法のエッセンスについて書く前に、失敗する質問例をあげてみます。

こういった質問をお母さんに質問することを想像してみてください。きっと好意的な答えが返ってくるでしょう。いい気分になって、この答えを元にプロダクトを改善しても、誰にも(お母さんにも)使ってもらえない可能性が高いです。

なぜなのか。これらの質問には "xxは優れたアイデアだ" "xxを実現するためにどうすればよいか" という質問者の暗黙的なバイアスがかかっているからです。

このような場合、質問される側も暗黙的に相手の期待に沿った答えをしがちです。

ではMom testのポイントを３つ紹介します。

自分のアイデアよりも相手の人生に寄り添う。アイデア起点で質問せず、彼らの日常がどうなっているのかにフォーカスします。
一般的な意見や未来の”こうなったらよいな”よりも過去の具体的な出来事について聞く。出来事に嘘はつけません。
相手の話をひたすら聞く。もちろんただ聞くのではなく、自分が聞きたいことを導く工夫が必要です。例えば、アイデアに関係する出来事を紐つけてみたり、時間や空間といった視点を切り替えてみたりしながら、心の底で考えているアイデアへのインサイトを見つけます。一番難しいところです。

具体的な質問例をあげてみます。