tomoima525's blog

Androidとか技術とかその他気になったことを書いているブログ。世界の秘密はカレーの中にある!サンフランシスコから発信中。

海外出張中に Covid-19 にかかると大変

表題の通りなのですが、アムステルダムにて Devconnect というカンファレンスに参加した際に Covid-19(コロナ)が陽性となってしまい、2 週間も滞在を延長することになってしまいました。この記事では陽性診断から陰性になるまでの経緯と、海外出張先で Covid-19 にかかった場合にどうすればよいかという知見を共有します。なお、状況は刻々と変化するため、同じ状況の方はまず政府ウェブサイトを確認し、大使館へ相談することをおすすめします。

経緯

4/24 - 4/27

当初 4/25 にアムステルダムを発ち日本へ行く予定でした。現在日本に入国するためには 72 時間以内の PCR 結果が必要です。そのため 4/24 朝に現地の検査機関にてテストを受けました。この数日前から若干鼻水が出ていたのですが、ホテルの部屋が乾燥しているからだろうくらいに思っていました。前日も公園を 1 時間ランニングしてたくらいなので、症状と呼べるほどのものはなかったです。

が、夕方になり検査機関からメールが届き、開いてみると result: positive のメッセージが...。さすがにこの瞬間は青ざめました。コワーキングスペースで作業していたのですが、すぐにホテルに戻り自己隔離を開始。事後対応を検討しました。

まず最初に、この数日間で近くにいた人たちに連絡を取り、陽性であったことを伝えました。ちなみに、自分の周りにいた人たちは幸いにも全員陰性で元気よく帰っていきました。合わせて会社や家族にも連絡を取り、状況を伝えました。

次に行ったのは明朝予定されていたフライト(JAL)のキャンセルです。時間帯的に日本は深夜、欧州は営業時間外だったので絶望したんですが、ダメ元で早朝である米国西海岸のコールセンターに電話したところ、運よく対応してもらえました。JAL は陽性の場合、一度までなら無料で(差額の支払いはあるものの)フライトの変更ができました。

そうこうしているうちに GGD(アムステルダムの保健省)から電話がかかってきます。陽性になると検査機関から GGD に連絡が行くシステムとなっているようです。GGD の担当者の人からオランダ語ではなく英語にて隔離に関する指示を受けました。かいつまんで書くと、

  • 症状が出てから 5 日は隔離する
  • 食事などの買い物であれば外出してよい
  • 5 日目に 24 時間症状がなければ回復したとみなす(テストも不要)
  • 特に GGD からチェックはない

とのこと。3 月頃から規制が緩和され、そもそも Quarantine と呼ばずに Isolation と呼ぶようになったらしい。なお日本の入国ルールについては何も知らなかったので、日本領事館に連絡を取ってくださいと言われました。明くる日、念のため日本領事館に問い合わせしたところ、やはり抗原体テストではなく PCR 結果が陰性にならない限りは飛行機に搭乗することが出来ないとのことで、しばらくはアムステルダムに滞在が確実になりました。おりしも日本はゴールデンウィーク、家族旅行や両親との食事会などの予定があったのですが、全てキャンセルに...。全方向似ご迷惑をおかけしました。

幸いなことに症状はほぼなく、身体はずっと元気でした。3 回ワクチン打っているのが功を奏したのかもしれません。 4 月 25 日からは中心部から離れ、検査場のすぐそばのホテルに移動して極力外出は控えて過ごしました。抗原体テストキットが薬局で売っていると GGD のスタッフに教えてもらったので、鼻腔用と唾液用を 10 箱ほど買い込み(1 箱 2€ で叩き売りされてました)毎日検査してました。

薬局ekosにて。この後一箱2€のところを見つけた

2 日後の 4 月 27 日には陰性になり、キングズデーというオランダ一番の祝日は外を少し散策。

4/28 - 5/4

28 日も陰性。これはいけると思い PCR 検査を改めて予約し意気揚々と検査に臨んだのですが...またもや陽性の結果に。その晩も GGD 担当者から電話かかってきて、なぜか向こうのほうがめちゃくちゃ申し訳無さそうにしてたのが印象に残ってます。いわく、感染力のない死んだウイルスであっても体内に残り続けるので、人によっては 8 週間以上 PCR の結果は陽性が出続けるらしい...まじか...状況を甘く見てた。

ちなみにオランダでは PCR の検査は 60 - 70€ ほどかかります。何度も受けると出費がバカにならないので、無料で受けられないか聞いてみたところ、なんと GGD が運営する検査場があるとのこと!しかも目と鼻の先でした。

アムステルダムの南にありました

こんな感じで紙をもらって電話で結果を聴きます

ただしこの機関では証明書は発行できないので、あくまで検査目的でしか受けられないです。よくわからん外国人がやってきても丁寧に調べて対応してくれた GGD やそこの検査場のスタッフには感謝しきりです。

しかしさすがに凹んで、Devconnect を通じて出来たオランダ人の友人(感染発覚時もめちゃくちゃ心配してくれた)に 2 回目の陽性結果を報告。すると "なるべく良い時間が過ごせるように自分にやさしくね!" と返事が。

そして別の友だちからも似たようなメッセージが。

楽しむチャンス~

これをきっかけにこの地でしか出来ない経験をしようと気持ちを切り替えることにしました。

そこからは 2 日ペースで検査を受けつつ、空いた時間で公園(めちゃくちゃいっぱいある)まで走りに行ったり、オランダの大学に通う日本人の学生さんとご飯食べたり、美術館を散策したり、とにかく Devconnect 中は出来なかったアムステルダムを満喫しました。

ゴッホミュージアム

この街は本当に美しい。そしてどの人も気さくで親切。

運河と町並み

公園にて定番の風車

なんでかわからないけどピザをごちそうになったり。 (川から受け取れるピザ屋だそう)https://www.pizzeria-san-marco.nl/)

川沿いのピザ屋

中でも一番推したい体験はオランダ式サウナ。普通に町中にあるんですが、凝った内装(ウェブサイトによると Art Deco というらしい)で、数種類の異なるサウナを楽しめます。当初は体内に残留する死んだウイルスを排出することが狙い(効果は不明)だったのですが、めちゃくちゃ身体の調子がよくなって 2 回も通ってしまいました。

中は撮影禁止なので遠目から

回復してからは毎日前述の友人に教えてもらったアムステルダムの中央図書館で仕事をしていました。彼も来て一緒に仕事したり、地元のおやつを恵んでもらったリ、本当に優しさが身にしみました。

夜10時までやってる

毎日撮っていた抗原体検査。これは唾液バージョン

そして 5 月 4 日、ついに PCR 検査が陰性に。結果的に全治までにおよそ 2 週間かかりました。この後フライトチケットを取るまでまたすんごい時間がかかったのですが、それはまた別の話。5月7日(すなわち今日)ようやく日本に着くことができました。

やったほうがよいこと

さて、このような状況を振り返って、自分のような状況になった場合/なることを踏まえてやっておいたほうがよいことを書いておきます。

予定を柔軟にしておく

現状のルールでは PCR が陰性にならない限り、日本の地を踏むことは許されません。見通しも立ちにくいので、重要な予定は極力出張直後には入れないほうがよいでしょう。フライトもキャンセル可能なエアラインやチケットを選んだほうがダメージが少ないです。仕事面ではリモートワークが可能な体制が必須です。自分もミーティングの時間などいろいろと調整してもらって乗り切りました。

陽性になったら現地の政府機関とコミュニケーションを取る

万が一陽性になったら、とにかく現地での隔離ルールや、医療情報を確認することが重要です。検査キットがどこに売っているか、無料で検査する方法など、有用な情報を提供してくれる可能性があります。また、症状が悪化した場合、どこに連絡してどう対応するべきかも確認するべきでしょう。日本領事館でも病院の情報など提供してくれるようなので、とにかくあらゆる手段で情報収集すべきです。

電話を受け取れる/かけられる simにする

検査結果が陽性の場合、GGDから連絡がかかってきたり、ショートメッセージが飛んできます。受けられないと不便ですし、領事館へ電話をかける場合も困ることになります。必ず電話が受けられるように備えておくべきです。

現地の知り合い探す

現地に頼れる人がいるとめちゃくちゃ心強いです。可能なら気軽に相談できる人を見つけておくと、万が一のとき色々と現地の情報を教えてもらえます。また隔離中は時差もあり連絡が取れる人も限られて、わりと孤独です。そんなときも現地にいる人とチャットすることで気を紛らわしたりできました。

海外保険入る

これも万が一ですが、もし重症化して入院することになった場合、途方も無い請求がくる可能性があります。そのためにも海外保険には絶対入っておくべきです。ただ今回の場合のように延長した場合に対応可能かどうかは要確認です。

まとめ

日本外の諸国においては規制が緩和されているため、感染の可能性は非常に高いです。感染した場合にどのようなリスクと対応が必要なのか踏まえた上で出張のプランを立てることが重要です。特に自分が慣れている言語でない国の場合、非常に苦労しそうです。オランダは英語が通じる国でいろいろと助かりましたし、もし全く英語が使えない国だったら途方にくれていただろうと思います。これから出張でなくても旅行で海外に行くことは増えそうですが、リスクはまだあることは念頭に置いておいて損はないです。