ポッドキャスト Today I Learned でも軽く話したのだけど、個人的な2024年のふりかえりを書き残してみた。
今週のお題「2024こんな年だった・2025こんな年にしたい」
事業
3月にプロダクトローンチしたことが大きな出来事だった。
我々のサービスはリモートでのソフトウェアエンジニア採用に特化している。背景として、
- 米国の開発人材は非常に高額。一方タイムゾーンの近い他の地域(米国なら中南米やカナダ)ならリーズナブルに採用できる
- そういった地域には米国と同等以上の優秀な人材がいるが、競争が激しく、えてして大量の応募に埋もれてしまう
- 属人的なプロセスがあり、採用費用が高い。例えば、リクルーターを利用した場合、年収の30%が報酬となる
我々のシステムを通じて、企業側へは従来の採用では見抜けなかった優秀な人材をマッチングし、人材側には米国の有望なスタートアップで働くチャンスを提供したいと考えている。
これまでの人材採用は評価、面接、評価など人がかかわらざるを得ないプロセスがいくつもあったが、AIによってそれらを自動化し、コストや時間を圧倒的に短縮できるようになっただけでなく、人間以上の品質を提供できるようになったと実感している。
現時点ではまだベータ版として、デザインパートナーに協力していただきつつ機能改善してきたが、近い内にパブリックに公開する予定だ。
開発観点からいうと、Noxxは AI ネイティブなプロダクト開発が行われている。例えば、表記揺れの名寄せなど、これまで正規表現や複雑なロジックで解決していたことをLLMで置き換えている。もちろんそれだけでは十分ではないので、データ収集やヒューリスティックな評価なども必要になるけど、それらも Langsmith のような評価ツールを利用して品質を担保できるようにしている。
その他には…
- チームが大きくなった。開発チーム以外にもプロダクトマネジャー兼デザイナー/ビジネス開発/ML系リサーチャーが増えた。開発メンバーは自社サービスを利用して採用した
- 学生バイトを募集/採用した
- 自社では即戦力を意識して経験年数が多めの人を採用していたけど、最近の学生さんは最新の技術やトレンドに熱心にキャッチアップしているという話を聞いたため
- 社のリソースを自由に使ってもらって、自分が時間を割くことができない技術調査や検証をしてもらっている
- 日々論文やノウハウなど新しい知見を共有してもらい、学びがある
- 東京にみんなを集めて合宿した
- 年末に社内ハッカソンした
- AI系のコワーキングスペースに引っ越しした
- Podcastでも話してます
- たくさんのアーリステージAIスタートアップの人たちと交流することができた
- ただ、ここは閉鎖することになってしまった。次のコワーキングスペースはAIやバイオ、クリプト界隈の人たちが集まる良さげなところ
92. アーリースタートアップのオフィス引っ越し - Today I Learned -シリコンバレーの現場から- - Apple Podcasts
2025年、事業の成長以外の取り組みで、もうちょっとやりたいのは情報発信。 Build in public というやつ。日々こだわりをもって開発しているものをもっと知ってもらいたいという気持ちがある。
生活
娘の幼稚園(Kindergarten)がスタートした。2024年は”子どもの習い事を一緒にする”が目標で、娘がデイケアで興味を持ったバイオリンとお絵かきを一緒に始めた。
👧のアートクラスを見学するそばで水彩画を始めた(👧はアクリル画) pic.twitter.com/CAPuRJUTmp
— Tomoaki Imai (@tomoaki_imai) October 12, 2024
一緒に始めたと言っても、子どものレッスンに付き合うそばでスケッチブックに描いたり、バイオリンのレッスン内容を聞いて、子どものバイオリンを借りて同じ曲を練習するくらいである。弦楽器が初めてなので、めちゃくちゃ新鮮だ。ちなみにバイオリンには身長ごとに 1/10、1/8…と細かくサイズがわかれている。今の娘のサイズは1/8なのでちっちゃいバイオリンで手こずりながら娘と一緒に楽しく弾いている。
その他ざーっと振り返ると…
- 発酵食生活
- 家族で初キャンプ
- 1歳児を連れてキャンプは初めてだったけど楽しい時間が過ごせた
- テキサス、東京、茨城、沖縄、四国旅行
- 1歳児を連れて(以下略)
- この他にもカリフォルニア州内いろいろめぐった
2024年は子どものお友達経由でパパ友が増えた。それはよいことだったけど、受け身ではあるので、2025年はもうちょっと主体的にネットワークを広げていきたい。
趣味
ひたすら走ってた。息が上がらないレベルで走り続けるゾーントレーニングを取り入れた結果、ずっと伸び悩んでいたフルマラソンパーソナルレコードが15分短縮された。
ゾーントレーニングについては ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニングという本をぜひ読んでもらいたいです
月に大体200-250km走っている。基本日中は仕事か家事で埋まっているので、必然的に早朝に起きて走るようになった。2025年は2月にニュージーランドで50kmのウルトラトレイル、12月にホノルルマラソンに参加する予定。サブスリー(フルマラソン3時間完走)目指して引き続き走る!
Podcast
詳細は Today I Learned FMを聴いてもらうとして…
今年は Meta 社の加藤さん(https://twitter.com/ryo1kato)をホストとして迎えて毎週配信した。毎週やってみての感想としては、
- 収録自体は習慣化するとそれほど大変ではない。むしろペースが決まりスケジュール調整がないので楽。だいたい平日の午後に30 - 40分で収録していた。
- ネタの準備が結構時間かかる。自分の場合は日々の業務の中で気になったことや学んだこと、改善したいことをベースにネットで参考になった記事や書籍を紹介することが多いのだけど、それなりに消化するのにも時間がかかる。なかば強制的に本を読み通すようになった。
ちなみにTILFMは
といった具合である。RiversideはSpotifyを使うならほぼ必須になってしまったが、有料じゃないと収録音声を個別に保存できないとか、UIがわかりにくいとか、編集機能が使いにくいとか、不満がわりと多い。何かおすすめあったら知りたいです。
2025年はもっとリスナーさんとのコミュニケーションしたいと考えている。いただいたコメントを紹介したり、お便りに答える回なんかもしたい。あと米国で働いている/働きたい人たちのコミュニティというか、交流できる場が作れたら…と妄想している。
本
いくつか面白かった本をば
- 生物から見た世界 環世界という、生物が種ごとにもつ感覚器を主体とした世界の認識手法の考え方が面白かった。これを読んで宇宙人と人間は会話ができたとしても理解し得ないと思ったけど、最近はAIと人間も出来ないんだろうなと考えるようになった。
- 三体 3 死神永生 傑作! それほど多くSF読まないから比較が正しいかわからないけど、スケールや発想の点で群を抜いて素晴らしいとおもう
- プロジェクトヘイルメアリー 文句なしに面白い。展開がテンポよく一気読みした。話のキモとなるエネルギー技術(?)について、もし現実世界で実現できたらどんな技術革新が起きるのだろうと日々妄想している
- なぜ働いていると本が読めなくなるのか 個人に責任が増える社会構造について考えさせられた。特に米国はこれから経済重視となってくるのでますます競争がきびしくなって、本を読む時間がなくなってくるのではないか…。
- Pythonで動かして学ぶ!あたらしい機械学習の教科書 毎週やっている数学勉強会で読み進めている。機械学習にまつわる数学について多くのページを割いており、雰囲気でわかったつもりになっていた部分について理解が深まった。
買って良かったもの
振り返ってみたけどあんまり買い物していなかった…。
- カスピ海ヨーグルトの種 発酵食生活の一環で。まろやかな味わいでおいしい。お腹の調子も良い。乾燥した地域に住んでいるからか、種を何度も移し替えても他の菌に負けることなく元気にヨーグルトができてうれしい。
2025年もどうぞこのブログをよろしくお願いします!