最近パイロットアプリを AppStore にリリースしました。最初の審査は通常よりもきびしいという噂の通り、いや、噂を通り越して審査を通るまでに 7 回リジェクト(メタリジェクト含む)され、休日も挟んで 12 日ほどかかりました。しんどかった気持ちを供養するためにリジェクトされた内容とその対応をまとめておきます。
- 前提条件
- リジェクトその 1. パーミッション関連の文言
- リジェクトその 2. 利用規約に反するコンテンツの扱い
- リジェクトその 3. アプリの利用方法
- リジェクトその 4. アイコンのデザイン
- リジェクトその 5. バグの指摘
- リジェクトその 6. レビューワー変更に伴う説明の繰り返し
- まとめ
前提条件
パイロットアプリは以下の機能を備えています。
- ユーザーがコンテンツを生成する
- カメラ、写真選択機能を持つ
- AppStore で既に別アプリケーションをリリースしている
また、AppStore での申請はカリフォルニアから行っています。レビューワーの送ってきたスクショを見る限り同じタイムゾーンでした。つまり向こうも同じ地域の人と想定されます。
リジェクトその 1. パーミッション関連の文言
初回カメラ起動時に権限付与のためにモーダル表示する文言について、より明示的な説明を求められました。具体的には"撮影した画像がアプリ内でどういう用途で使われるのか"というのをはっきり記載する必要があります。
対応
文言を見直し次のアクションでどのように画像が使われるか明記しました。
リジェクトその 2. 利用規約に反するコンテンツの扱い
ユーザーがコンテンツをサービス内に投稿し、他のユーザーがそれを閲覧できる場合、ユーザーを守る/攻撃的なユーザーを排除する点についてかなりレビューが厳しかったです。主に以下の 3 つの指摘を受けました。似た内容なのに、バラバラに指摘されて困った...。
- 利用規約に明示的に問題あるコンテンツの定義と運営の対応(コンテンツの削除/ユーザーのアカウント停止)を記載し、ユーザーが規約を読む導線をつくること。
- 規約に反するコンテンツ/攻撃的なコメント、ユーザーをユーザー自身が報告できる機能。それにどのように運営が対応するかの説明。
- コンテンツに対する攻撃的なコメントや攻撃的なユーザーをユーザー自身がブロックできる機能
対応
問題のあるコンテンツの定義と運営対応
これについてはすでに規約に記載していたので、サインアップ時/設定画面から規約を確認できる旨をレビューワーに Appeal 欄で説明しました。ユーザー自身が報告できる機能
写真/コメント/ユーザープロファイルそれぞれにレポート機能を追加しました。ボタンをタップするとメーラーが開き運営アドレス宛にメールを出せる簡易なものでしたが、問題なかったです。
Appeal 欄には、"レポートは 24 時間以内に確認し、規約違反があった場合は削除や BAN の対応を行う"と記載しました。ユーザー/コメントのブロック機能
それぞれ実装しました。ブロックされたユーザーはブロックしているユーザーへのコメントができなくなります。コメントをブロックすると非表示になります。地味に面倒な機能なので、今後はリリース前の機能要件に組み込むと思います。
なお、これらの実装についてレビューワーに報告する場所がなかったので、App Review Information の欄にそれぞれの機能の説明を追加しました。
リジェクトその 3. アプリの利用方法
レビューワーからアプリの基本機能を使えるアカウントの提供を求められました。
対応
残念ながらわれわれのアプリは Google Sign in と Apple Sign in しか実装しておらず、テストアカウントを提供できません。少し調査したところ、このようなケースではアプリを実際に操作したビデオを App Review Information に投稿すればよいとわかったので、ウォークスルーを撮影してビデオを投稿し、ことなきを得ました。
なお、以下の文言を App Review Informationに追加しています。
Apple sign-in can be used for signing. Since we don't have a good way to provide password and name, we will upload a short video that demonstrates the functionalities of the app, which are posting photos and sending a message to other's photos.
切なかったのは Apple なのに mov 形式に対応してなかったところです。
リジェクトその 4. アイコンのデザイン
アイコンが別アプリケーションと酷似していると指摘されました。諸事情により自社の別サービスと同じアイコンを使っていたのですが、アプリは別名なので問題ないだろうと思ったら甘かったです。
なおこれはガイドライン 4.3 Spamに抵触しています。
対応
別アイコンを急遽作成しました。
リジェクトその 5. バグの指摘
このボタンが動かないんだけどという理由でリジェクトされました。ただそれはボタンではなくロゴでした。
対応
Appeal 欄で、その旨を説明しました。
リジェクトその 6. レビューワー変更に伴う説明の繰り返し
レビューに時間がかかったせいか途中でレビューワーが変わったようで、利用規約に関して全く同じ指摘を受けました。
対応
Appeal で前回同様な説明した旨を再度記入しました。
まとめ
まさか 7 回もリジェクトされると思っていなかったので、なかなかしんどかったです。
基本的には 1 日で結果が返ってきたのですが、休日と Appeal 欄への返答は 2-3 日返ってこなかったので、その際は再度プッシュしました。
ガイドラインは目を通しておいても、どこまでどう対応すべきか不明な部分があるので、粘り強くレビューワーに確認する必要があります。また、ただ指摘に従うのではなく意図が説明できるものは Appeal 欄でしっかり説明することが重要だと思いました。