表題の通りなのですが、去年転職、個人事業主として登録した自分が、平成26年度青色確定申告をe-taxでしました。はまったことや注意すべきことなど色々あったので、記憶が薄れる前にここに残しておきます。
前提1.自分のステータス
- 去年3月に転職しました
- 個人で仕事を請け負うことが出てきたので、これを機に9月に個人事業主(青色申告の届け出提出)として登録しました
- 諸事情により確定申告期間(2/16 - 3/16)に申告ができないので、青色確定申告でe-taxを利用しました
- 簿記の知識はゼロでした
前提2.青色確定申告とはなんぞや
図解 いちばんやさしく丁寧に書いた青色申告の本〈’15年版〉
- 作者: 千代田パートナーズ会計事務所
- 出版社/メーカー: 成美堂出版
- 発売日: 2014/11
- メディア: 単行本
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自分は↑の本読んで理解しました。
確定申告について一言でいうと、給与以外の個人での20万以上の所得(=収入から経費をひいたもの)や控除(医療費や生命保険等、払うべき税金が免除される制度があるもの)がある場合に、税金の計算、納税をする申告です。
通常サラリーマンの場合は、個人での所得がないので「所得税及び復興特別所得税の確定申告」という、控除についてのみ申告することになります。普通は会社でやってくれるので、申告することはあまりないことになります。ちなみにここでは触れませんが医療費やら個人型年金の申告によって結構税金返ってくるので、こっちの確定申告はやったほうがいいですよ。
で、青色確定申告は、正式には「青色申告決算書」と呼ばれます。所得のうち個人事業主として事業所得(自分の事業としていることでの所得)がある場合に、上の確定申告と合わせて申告するものとなります。所得の申告をするものは、実際には「白色」「青色」の二種類があり、違いはざっくり以下のようになります。
青色 | 白色 |
---|---|
10万or65万の所得控除 | 控除なし |
経費として計上できるものが多い | 経費に制限あり |
税制上有利(純損失(赤字)の繰越できる、赤字を給与と合算できるetc) | 税制上の特典なし |
事前に届け出必要 | 届け出不要 |
青色によって得られる所得控除はでかいです。特に自分のようにそれほど大きく儲けてない場合は、控除で税金がかからなくなりました。10万と65万の控除の違いは、提出すべき帳簿の種類の違い(10万:簡易簿記、65万:複式簿記)です。
なお、アフィリエイトでの収入は「雑所得」扱いとなり、事業所得には当たらないので、青色確定申告は利用できないです。「所得税及び復興特別所得税の確定申告」での雑所得での確定申告は必要です。
はまったところとその解決
自分は申告として、以下の2つをしました。
- 確定申告B(所得税及び復興特別所得税の確定申告)
青色申告に必須なこともありますが、医療費と個人型年金(転職時に企業型年金から変更)の控除もあるようなので、合わせて申告しました。 - 青色申告決算書
事業のもうけを申告しました。
申告書類を作る上でそれぞれわからないことがいくつもあったので、それぞれ列挙します。
1.確定申告B(所得税及び復興特別所得税の確定申告)
転職したので源泉徴収票2つあるんだけどどれを申告すればいいの
所得の内訳を源泉徴収票を根拠に記載する必要があるのですが、転職時に前職会社からの源泉徴収票、今の会社からの源泉徴収票の2つがあり、よくわかりませんでした。
正解は、転職時に今の会社に前職の源泉徴収票を提出していれば、今の会社からの源泉徴収票だけでOKです。
今の会社の源泉徴収票に「摘要」として、前職の情報が書いてあると思います。これは、前職と今の会社の所得を合算してますよ、ってことです。なので、今の会社の給与を所得として記載します。
ちなみに自分は当初、源泉徴収票2つあるし、2つ書いといたところ給与が合算され、納税額が大きくなってました。(当然二重申告になっているのでアウトです。)
退職金は申告どうするの
退職金はすでに源泉徴収票されているので書く必要はないです。(税務署で確認済み)
株式の利益は
特定口座を利用していれば、証券会社が源泉徴収しているので書く必要ないです。(税務署で確認済み)
2.青色申告決算書
簿記わからん
- 本読んだ
- 作者: 林太一
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2013/08/28
- メディア: 単行本
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とりあえずこの本読みました。小説風なんですが、中身はまじめな簿記の話なので、勉強になります。オススメです。
申告書の入力方法はこの本みました。
いちばんわかりやすい確定申告の書き方 平成27年3月16日締切分
- 作者: 土屋裕昭,樋川智子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/10/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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先ほど上であげた本に仕訳の勘定科目の情報なども載っているので、それも参考にしました。
あとは税務署から送られてきた手引が、わかりやすかったです。
- 会計ソフト使った
自分は会計ソフトとして確定申告サービスのfreeeを利用しました。freeeは銀行やクレカの情報をスクレイピングしてきてくれるので、事業用の情報をぽちぽち仕訳するだけで、複式簿記ができました。自分で複式簿記で記入するのは相当ハードル高いですが、これだと後から「あー、こうやって書くのか」ってわかって良い気がします。
他の会計ソフトでは複式簿記で入れるのが標準だと思うので、ここは優位性があると思います。あとサポート(チャットシステム)が充実していたのもよかったです。
受託費の源泉徴収がない
個人で開発を受託したわけなんですが、いただいた報酬に源泉徴収がありませんでした。大丈夫かな、と心配になったのですが、プログラミングについては源泉徴収の対象外とのことです。(税務署でも確認済み)
帳簿の現金がマイナスになっちゃった
freeeで複式簿記つくったところ、勘定科目の現金がマイナスになってしまいました。これはつまり、ないはずの現金を使っているという異常な事態です。原因は個人のお金で事業の経費を支払っていたからでした。個人のお金で支払う場合は勘定科目を「現金」ではなく、「事業主借」として処理する必要があります。
記載が正しいかよくわからん
税務署に行きましょう。「確定申告の記述が正しいか確認してもらえますか」といえば、親身に一つ一つ確認してもらえます。多くの税務署がすでに相談会や記入会を開催しているようなので、最寄りの税務署行くとよいです。
e-taxするためになにが必要なの
e-taxは、オンラインで確定申告ができる仕組みです。e-taxを利用するためには、電子証明のために個人情報を登録した住基カードとICカードリーダーが必要です。
e-taxにも正確には2種類あって会計ソフトで作製したデータを利用できるweb版e-taxとぽちぽち入力して、そのデータを情報送付(or印刷して郵便配送)する通常のe-taxがあります。web版のe-taxは追加でソフトをいれないといけない、会計ソフトで入力したデータが確認できない、など若干不安があるので、通常のe-taxがよいのかな、と思います。
まとめ
はじめて確定申告をやったので、わからないことを調査したりして、申告書の作成には結構な時間と労力がかかりました。しかしながら、税金の仕組み、自分のお金がどうもうかったのか、などかなり勉強になったと感じています。
控除については今からでも遅くないので、調べて申告することがオススメです!
おまけ:e-taxについてメリデメ
e-taxあまり触れられなかったので、以下に自分が感じたメリデメ記載します。
正直税務署で相談しながら作ったほうが失敗がないので、最初は事情がなければ税務署いくことをおすすめしたいです。
源泉徴収票や医療費領収書が添付免除になるのはデカイです。
メリット | デメリット |
---|---|
申告可能期間が長い | ICカードリーダーや住基カード必要(有料) |
源泉徴収票や医療費領収書が添付免除(保管は必要) | システムが不安定(ICカードが認識されず焦った) |
UIがイケてない |